【やられる前にとにかく対策!】カイガラムシがついた時の症状やその対策方法を解説
植物を育てている人なら誰しも一度は名前を聞いたことがあるであろう「カイガラムシ」。
その正体は、植物に取り付いて栄養を吸い取ってしまう害虫です。
家庭で育てている観葉植物や多肉植物も被害に遭うことがあり、僕自身もカイガラムシに悩まされた経験があります。
ある日、枝葉に白いフワフワとしたものを発見したのですが、「何だろう?」と特に気にせず放置していた結果、次々に葉が枯れていく悲惨な状況に…。
慌てて駆除に取り掛かりましたが、今でも「早く気づいていればもっと被害を防げたかも…」と思う事があります。
幸いにも、株ごとやられるような事にはなりませんでしたが、茎や根がやられてしまうと、いきなり株が枯れて再起不能になってしまう場合も…
そこで、今回はカイガラムシがついた時にどんな症状が出るのか、その対策方法などをご紹介していきます。
最近植物を育て始めた初心者の方も、今のところ被害に遭っていない方も、知識があれば早期発見や予防につながると思うので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
この記事の目次
カイガラムシってどんな害虫?
カイガラムシは1〜10mmほどの小さな虫。
国内に400種以上存在するとも言われ、代表的なものだと、白い粉を纏った「コナカイガラムシ」、体が厚い蝋で覆われた「ロウムシ」、硬い殻を持つ「カタカイガラムシ」などが有名です。
白色や赤茶色など、種類によって見た目もさまざまですが、共通しているのは、植物に取り付いて吸汁し、植物の栄養を奪ってしまうこと。
そのため、カイガラムシに取りつかれてしまうと葉に十分な栄養が行き渡らなくなり、放置すると枯れてしまう原因になります。
カイガラムシ最大の特徴は、「カイガラ」の名前の通り、体が殻や蝋状の物質で覆われている事。
これが厄介で、幼体の段階なら駆除用の薬剤が効くものの、成体になると殻がバリアのような役割を果たし、薬剤の効果が激減。
最終的には歯ブラシや爪楊枝を使い、手作業でこそげ落とすしかなくなることもあります。
また、繁殖力も高く、初期のうちは「ちょっとしたゴミかな?」なんて見過ごしてしまうことが多いですが、油断していると一気に広がり、手に負えなくなることも。
そうなると、薬剤も効かないし、こそげ落とすのも大変だしで本当に厄介。(経験談です。笑)
もし見つけたら早めの対処がポイントです!
放置すると駆除が大変になるだけなので、「あれ?」と思った段階ですぐに行動に移しましょう!
カイガラムシにやられてしまった時の症状
カイガラムシが植物に取り付くと、栄養を吸い取られることで葉の元気がなくなり、変色や落葉といった症状が現れます。
さらに厄介なのは、排泄物が原因で発生する「すす病菌」。
このカビが葉に広がると光合成が上手くできず、植物全体が弱ってしまい、最悪の場合、枯れてしまうリスクも…。
吸汁による直接的な被害だけでなく、二次被害も引き起こす可能性が高い害虫なんです。
発生初期の段階
僕が被害に遭ったのはコナカイガラムシで、その時の初期症状としては、枝の分かれ目に白いポツポツがみられる程度でした。
当時は「カイガラムシ」なんて知らず、特に異常も感じなかったので、「成長する過程でそんな事もあるのかな?」と特に気にせず放置してしまいました。
それがまさか大惨事に繋がるとは…
今でも「あの時少しでもカイガラムシの事を知っていれば…」と思う事があります。
数が多くないうちは駆除もそれほど大変ではなく、幼体は殺虫剤などの薬剤も効きやすいため、見つけたら早めに駆除しましょう!
特に、多肉植物の場合は、葉と葉が重なり合っていることで、虫が移動しやすいので要注意。
一見、何も付いていないように見えても、目に見えない小さな幼体が潜んでいる可能性も!
殺虫剤などを使う場合は、葉の裏側などもチェックして全体的に散布するのがオススメです。
被害が進むと…
放置していると、白いポツポツが増え続け、植物全体の元気がなくなり、葉が変色して落ちていきます。
僕もここまできてようやく「なんか普通じゃないかも…」と気づきました。
が、時すでに遅し。
カイガラムシにやられた所からどんどん葉が落ちていき、最終的には7割ほど葉を持っていかれました…
幸いにも株は生き残ってくれましたが、根や茎をやられるといきなり枯れるケースも。
駆除用スプレーを試しましたが効果がなく、結局、歯ブラシや爪楊枝を使って全て手作業でこそげ落とす事になりました。
皆さんはそうならないように、葉に少しでも異常があれば調べるようにして下さいね!
こまめに苗の状態をチェックするのはちょっと手間かもしれませんが、結局はそれが一番の近道。
手間もお金も最小限に抑えられ、苗を枯らすリスクもぐっと減らせるはずです!
カイガラムシの被害を未然に防ぐためのポイント
ここからは、カイガラムシの被害を未然に防ぐポイントをご紹介します。
鉢の置き場所に気をつけるだけでも効果的な対策になるので、自分の家の環境をチェックしながら試してみてください!
風通しの良い場所に置く
カイガラムシは風通しの悪い場所を好むため、 通気性の良い場所 に鉢を置くことが予防の第一歩。
屋外で複数の苗を育てている場合は、鉢同士の間隔をしっかり空けるようにしましょう。
隙間が狭すぎると風が通らず、空気がこもりやすくなります。
室内で育てている場合は、 定期的な換気 やサーキュレーターを使って空気の流れを作ると効果的。
ただし、 エアコンの風 は乾燥の原因になるため、植物に直接当てないよう風除けを使ったり、置き場所を工夫してあげたりして環境を整えてあげると◎です。
日当たりの良い場所に置く
カイガラムシは暗い場所を好むため、日当たりも発生を予防するための重要なポイント。
基本的には明るい場所に置いてあげた方が、カイガラムシの予防という意味でも、植物の健康という意味でも好条件と言えます。
ただし、直射日光が長時間照りつけるような場所だと、今度は葉焼けを起こしてしまう事も…
そのため、屋外で育てている場合は明るい日陰が理想的。
屋内の場合は、カーテン越しに日が当たるような場所がオススメです。
もし「日の当たる場所はあるけど、そこに置くと生活の邪魔になるし…」と感じる場合は、普段は好きな場所に置いておいて、日のあたる時間だけ日光浴をさせたりしてもOK。
それが手間な場合は、いっそ植物用の台や棚を買ってオシャレに飾るのも一つの方法です!
駆除・予防用の薬剤を使う
置き場所だけでは不安な方や、徹底的に予防したい方には、市販の薬剤を使うのもオススメ!
ただ、薬剤によってどの害虫、病気に効果があるのかは異なるので、購入前にカイガラムシに効果があるのかをHPなどで調べておくと安心です。
参考までに、多くのタニラーさん達が害虫対策に愛用している薬剤を載せておきます。
同じような商品名のものがメーカーからいくつか販売されている場合があるので、購入する場合は間違えないように気をつけて下さい!
- オルトランDX粒剤:粒剤タイプの薬剤で、 土に撒くだけで植物が根から成分を吸収し、虫への抵抗力を高めてくれます。手間が少なく、予防対策に最適。
- ベニカXネクストスプレー: こちらはスプレータイプで、 すでにカイガラムシが発生している場合にも効果的。殺虫成分が虫に直接作用し、さらに浸透移行型の殺菌・殺虫成分も含まれているため、 即効性と持続性を兼ね備えた便利な薬剤です。
ただし、 同じ薬剤ばかりを使い続けると虫が耐性を持ってしまうことも。
便利だからといって頼りすぎず、他の対策と組み合わせて使うのが効果的です。
まとめ
カイガラムシは多肉植物を育てる上で厄介な害虫ですが、正しい知識と対策を知っていれば、被害を最小限に抑えることができるはず。
以下に今回紹介してきた内容のポイントをまとめます。
- カイガラムシは植物の栄養を吸汁して葉を枯らす害虫。
- 排泄物によって「すす病」など二次被害が広がるリスクも。
- 風通しが悪く、暗い場所を好むので、通気性と日当たりの良い場所に置くと予防に効果的!
- 「オルトランDX粒剤」「べニカXネクストスプレー」などの薬剤を上手く使う事で、被害に遭うリスクをグッと減らせる。
- 繁殖力も高いため、定期的に植物の状態をチェックして、異常があればすぐに対処するのがベスト!
「100%被害を防ぐ」のは難しいかもしれませんが、少しでも知識を持っているのといないのでは大きな違い!
大事な苗を枯らさないためにも、置き場所を工夫したり、薬剤を上手く活用しながら、元気な苗を育てていきましょう!
執筆・執筆協力
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実家から株分けしてもらったポトスをキッカケに植物にハマる。
今までに育ててきた植物は10種類くらい。もっと色々な植物にも挑戦するべく日々勉強中です。
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