多肉植物の普及種って?ホームセンターで出会える多肉植物を中心に紹介

多肉植物の魅力にハマってしまい、沼から抜け出せなくなった方も多いのではないでしょうか。

姿や色もさまざまで「ドンドン種類を増やして寄せ植えや丼に挑戦したい」「1株ずつ集めて多肉棚を作りたい」と、好きになればなるほど多肉植物への欲望は広がっていくばかりです。

けれど、多肉植物を育てるのに慣れる前に、姿に惹かれて高価な苗を購入して枯らしてしまったら、トラウマにもなりかねません。

できれば育てやすい品種から挑戦したいと思っている方へ、ホームセンターで出会える多肉植物の普及種を中心に紹介します。

多肉植物の普及種って?

普及種との言葉を目にする機会があるかと思いますが、明確な定義はありません。

管理に気を使わなくても丈夫で育てやすく、葉挿しやカットで増やしやすい品種や、ホームセンターや100円ショップなど身近なお店で手ごろな価格で手に入る品種などが、普及種と呼ばれています。

他にも忘れてならないのが、日本で長い間愛されている品種です。

原産国が海外の多肉植物は多いですが、環境の変化に順応してきた品種も、普及種と呼びたいところです。

もちろん、丈夫な普及種でも、生き物なので枯らしてしまうこともありますが、その失敗を学習して次のステップへ進められるでしょう。

そこで、いろいろな多肉植物を育ててみたいと思っている方へ、独断と偏見で分類した普及種を紹介していきます。

丈夫で育てやすい普及種の多肉植物

普及種は、一般的に「丈夫で育てやすい」と言われています。

そんな普及種の中でも、こまめな手入れが必要なく勝手に育ってくれるような、頼もしい品種を見ていきましょう。

秋麗

グラプトペタルム属

地植えでもモリモリ増え、ストーンガーデンなどにも向いている、初心者の方でも失敗が少ない丈夫な品種です。

肉厚で円柱形の長く細い葉で、色は薄いグリーンですが、寒くなるとピンクからスモーキーなワインカラーにまで変化します。

秋麗を「星みたいに見えるよね?」と聞いて、うなずいてくれる方のほとんどは、多肉植物が好きな方です。

パープルディライト

グラプトベリア属

肉厚でほんのり紫の葉が美しく、丈夫さゆえに放置するとドンドン育って、直径15㎝ぐらいに巨大化する株もあります。

基本的にグレーっぽい紫ですが、成長期の新芽はマーブル模様のペールピンク、下の方にいくにつれて薄いグリーンに変化する、グラデーションを楽しめる品種です。

薄氷

グラプトベリア属

1年を通して薄いグリーンですが、冬は色が少し白っぽくなり、春の新芽は穂先がほんのりとピンクに変化する姿に、生命力を感じます。

子株が発生しやすく、放置していたらいつの間にか増えていることもある、頼もしい品種です。

花のように見えるロゼット型多肉植物の普及種

ロゼット型の多肉植物とは、葉が放射状に広がっていて、全体的な造形や葉の形がバラのように見える品種を指します。

葉の形や姿が花のように美しい品種は、1株だけで植えていても絵になるものです。

ロゼット型の普及種を見ていきましょう。

ピンクプリティ

グラプトベリア属

暑い時期は薄いグリーンで葉先だけがピンクですが、寒くなると全体的にピンクに染まりムチムチでキュッとまとまって、名前どおりのプリティぶりに仕上がります。

暑い時期は下の葉が開き中心部だけがまとまる姿は、蓮の花のようにも見えます。

大和錦

エケベリア属

中米原産ですが、昔から日本で愛されている品種です。

葉先がシュッと尖った姿は凛としていて、剣道の構えを思わせる佇まいです。

斑点が入ったように見える葉は濃いブルーグリーン、秋にはワインカラーへと変化します。

チワワエンシス

エケベリア属

放射状で上に向かう、ぷっくりとした肉厚の葉は、夏は薄いグリーンで尖った葉先だけが赤くて可憐な印象です。

紅葉すると葉先に向かって、グラデーションで広い範囲でピンクになり、外に向かって濃い赤に変化していきます。

本来はお値段が張る品種ですが、100円ショップで見つけたラッキーな方もいるので、普及種に含めてみました。

お手頃価格で出会えた時は、ゲットしたい品種です。

寄せ植えにもオススメの普及種の多肉植物

多肉植物の育て方を検索している時、色とりどりで絵のように見える寄せ植えや、高さのあるポットにオブジェのように仕立てられた寄せ植えを見つけて、心踊った経験はありませんか?

1株ずつ揃えて愛でるのも楽しいですが、品種が揃ってきたら多肉植物の寄せ植えにも挑戦したくなるものです。

ちょっとずつカットして集めて植えたらさまになるような、寄せ植えにもオススメの普及種を紹介していきます。

ブロンズ姫

グラプトペダルム属

名前の通りの銅葉が個性的で、独特の色合いで寄せ植えのカラーアクセントにオススメです。

ブロンズ姫と名付けられていますが、実はブロンズ色止まりでなく、秋には真っ赤になってカワイイ姿を見せてくれます。

徒長して茎が長くなりやすいものの、プリンプリンにたくさん葉をつけて横たわっている姿も、キュートでたまりません。

葉挿しの成功率も高いので、仕立て直してブロンズ姫丼にするなど、アレンジも楽しめます。

若緑

クラッスラ属

とげとげした葉が魅力で、大きくなるとコニファーっぽい野趣溢れる雰囲気になります。

スッとした高さが出るので高低差を出したい時や、寄せ植えする時に帳尻が合わず隙間が出来てしまった時にもオススメです。

ルビーネックレス

オトンナ属

糸のような紫の茎に細長いプリプリの葉が付いて、下に垂れる姿が美しい品種です。

グリーンの葉が、秋にはルビーのような赤紫へと変化します。

鉢の下に垂らすだけでなく、鉢の周囲にグルリと回してリース風に仕上げたり、寄せ植えの上部でクロスさせてリボン風に仕立てたりと、自分だけのアイデアを楽しめます。

出会えたら手に入れたい多肉植物の普及種

普及種といえど、ホームセンターによって品揃えが違います。

出会えたらゲットしておきたい、ちょっと変わった色に変化する品種や、スタイルが独特の普及種を紹介します。

月の王子(黄麗)

セダム属

ミントグリーンの葉は、寒くなると全体的にイエローになり葉先がピンクへ変化します。

ピンクや赤に紅葉する普及種が多い中、黄葉する普及種に出会える確率は少ないので、見つけたら、ぜひゲットしておきたい品種です。

徒長しやすいのですが、徒長した部分の茎はワインカラーに変化して、イエローの葉とのコントラストが美しく、仕立て直すのをためらってしまった方も居るのではないでしょうか。

ゴーラム

クラッスラ属

別名「宇宙の木」とも呼ばれ、成長すると枝分かれして木のように力強く変化し、多肉植物に見えない姿が、逆に魅力的です。

冬には紅葉して葉先がピンクになるところがキュートで「やっぱり多肉植物だったね」と、認識させてくれます。

月兎耳

カランコエ属

兎の耳のように細長い緑の葉先に、点々と茶色のトリミングが入っています。

モフモフの葉はペットのようで、犬や猫みたいにどれだけ触っても反撃してこないので、ずっと触っていたくなりますが、触りすぎには注意しておきましょう。

葉挿しをすると細長い葉の先にチョコンと2枚の葉が生えて、まさに兎のような可愛い姿になり「このまま大きくならないで欲しい」と、矛盾した気持ちが生まれるかもしれません。

ホームセンターでの多肉植物との出会いは一期一会

ホームセンターで出会える普及種を中心に紹介しましたが、気になる品種はありましたか?

ホームセンターで手に入る普及種はたくさんあります。

しかし、普及種といえど出会いは一期一会で「次に行った時は無い」などは、日常茶飯事です。

欲しいと思っている品種や、名前はわからなくてもビビビッときた品種があったら迷わずゲットしましょう。

ただし、丈夫な普及種といえど、育つ地域や環境で、葉の色や姿はさまざまに変化します。

一般的な姿や葉の色を紹介しましたが、同じ品種を育てたとしても同じ形に育ってくれないのも、多肉植物の魅力の1つです。

多肉植物に振り回されるのを楽しみながら、育てていきましょう。

執筆・執筆協力

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