東京で多肉植物の冬越し!エリアや建物、置き場所別のリアルな東京の冬対策
だんだん涼しくなってくると気になる「多肉植物の冬越し」
植物の育て方では「関東以南」なんて言葉をよく聞きますが、実際は置き場所の環境や同じ県内でも気温が違ったりと頭を悩ますことが多いもの。
東京の気候は、都市型の気候といわれるように東京特有の特長があります!
実は、夏によく聞く「ヒートアイランド現象」は冬の方が顕著に現れるので、東京は冬でも関東の他の地域より暖かいのが特長です。
最低気温が10度を下回ってきたら、多肉植物も寒さ対策が必要と聞くけど実際どうなのか……?
今回は「東京」の多肉植物の冬越しをリアルに解説します!
この記事の目次
東京で多肉植物を冬越しさせるときのポイント
東京は暖かい地域なので、ほとんどの種類の多肉植物は簡単な防風で冬越しさせることができます!
とはいえ、東京の住宅事情は他の都道府県と違って特徴的ですよね?
東京の住宅事情に合わせて冬越しで気にするべきポイントを紹介します。
住んでいる地域のエリア
東京23区と東京郊外とでは、驚くほど最低気温が違うんです。
23区内で最低気温が氷点下となることは珍しいですが、郊外は暖冬と言われる都市でも氷点下となることが普通です。
また、湾岸エリアでは海に近いだけあって、風が強くなります。
東京の建物事情
建物と建物の間隔が、人ひとりがやっと通れるほどの幅なんてことも珍しくないのが東京!
都心部に行くほど、建物と建物の間隔が狭いので風通しが悪くなりがちです。
多肉植物の冬越しで防風するときも、「風通しが悪くなりすぎていないか」に注意が必要となります。
逆にビルが多い地域だと、高い頻度でビル風が吹いている場合もあるので、まずは多肉植物の置き場所の特長を把握しましょう!
多肉植物の置き場所と高層階
東京はとにかく高層マンションが多い地域です。
「マンション」と言われる建物も10階以上の高さが普通、20階以上のタワーマンションもたくさんありますがこれは東京特有の住宅事情。
立地にもよりますが、10階を超えてくると、布団を干せば風にはためくのが普通なのではないでしょうか(むしろ干さない人の方が多いですよね)。
高い階で多肉植物を育てている場合は、一般的な多肉植物の冬対策より、風対策を重点的に行いましょう!
多肉植物の基本の冬越しをおさらい
まずは基本の多肉植物の冬対策!
多肉植物の冬越しで必要な対策をおさらいしましょう。
水やりの頻度と時間
冬の水やりは、午前中~日中の暖かい時間に、土の表面~1センチ程度が濡れる量を与えます。
水は少し足りないくらいでOK!多肉植物の中の水分が少なめの方が、気温が下がったとき凍りづらくなるためです。
冬の陽当り
寒い冬だからこそ、お日様の光にしっかり当ててあげましょう。
寒さ対策以外にも、しっかりと日に当てることで、紅葉もしやすくなります。
置き場所は屋根があるところに
冬は多肉植物の休眠期。
たくさん水を与えても吸収できずに過剰な水分が多肉植物を枯らしてしまいます。
屋根があれば、雨を防ぐだけでなく、冬は多肉植物を凍結させないためにも軒下に置くのがおすすめです。
防風対策
人間が風に吹かれて寒いように多肉植物も寒いはず……
風邪対策をすることで多肉植物の防寒になります!
けれど、高温多湿に弱いのが多肉植物。
密閉空間となりすぎないようにしつつ防風します。
東京都のエリア別の特長と多肉植物の冬越し
「関東以南」としてまとめられがちな東京ですが、住宅事情も含めて、関東の他の都道府県と比べてもちょっと特殊なのが東京です。
そして、地域によって気候の特長が異なり、とくに冬の最低気温の違いは冬対策の違いにつながります。
東京のエリア別の特長をチェックして、多肉植物の冬対策に活かしましょう!
23区内は比較的暖かい
ヒートアイランド現象により、冬でも23区内、特に湾岸エリアは暖かいです。
日中は寒く感じても、最低気温が氷点下となることは数えるほどしかありません。
多肉植物を置いている場所が、特に風に強い場所でなければ、多肉植物の冬対策はほとんど必要ありません。
雪が降ったときや、屋根がない場所で最低気温が3度を下回る夜など、ポイントを絞った対策をすれば十分な場合が多いです。
東京都郊外は最低気温が氷点下になる
東京郊外では、ヒートアイランド現象の影響が少なく、暖冬でも夜は氷点下となります。
地域によってマイナス3度、マイナス10度などと言われていますが、いずれにしろ夜間の多肉植物の凍結を防ぐ対策が必要です。
23区内でも郊外に近いエリアなど、湾岸から離れた地域ほど夜の気温が下がりやすいので、住んでいる地域に合わせた対策を行いましょう!
湾岸エリアや川が近い場所は風に注意
湾岸エリアは、海に近いので風が強いです。
また高層マンションが多い地域なので、ビル風にも注意が必要となります。
東京は川が多いですが、川の上は強い風が抜けるので、川の近くの地域の方も湾岸エリア同様風に注意が必要です。
屋根がある場所に多肉植物を置いている方が多いと思いますが、凍結の不安が少ない分、防風対策をしっかり行いましょう。
東京都の建物の特長と多肉植物の冬越しで気をつけるポイント
きっと他の地域の人からは想像がつかないであろう東京の住宅事情。
駐車場の値段が、家賃が……なんていう話は、驚かれた経験がある方も多いのではないでしょうか。
そんな、他県から驚かれる東京特有の住宅事情にあわせた、多肉植物の冬対策のポイントをお伝えします!
23区内の一戸建ては風通しに気をつける
23区内の一戸建てで多肉植物を置くなら、軒のある2階のベランダや、玄関の前、1階の半屋内駐車場などがメインになると思います。
比較的暖かい23区内では、屋根さえあれば大丈夫!
特に気温が下がる寒い日に、凍結対策をしたり、夜間は屋内に移動させたりと、ポイントを絞った冬対策で十分冬越しできます。
なので、冬対策を考えるときに注意するポイントは風通しです。
室内に移動させたり、過度な防風対策を行うと風通しが悪くなり、冬でも蒸れて枯れてしまいます。
また、逆に風通しが良すぎることに注意が必要なのはベランダです。
風が抜けない腰壁タイプの手すりのベランダに室外機が置いてあるという環境は注意が必要!
多肉植物が、ベランダ内で常に室外機からの風にさらされて、カラカラに乾いて干上がって枯れてしまう恐れも……
休眠期である冬は、水やりの量を減らすこと、また凍結予防の為により乾燥気味に育てるため、常に強い風に常にあたっていると危険です。
(これは東京の住宅の広さ事情と、冷暖房がエアコンがメジャーという影響が大きいかもしれません。)
エアコンの室外機の風があまりにも強いなら、ルーバーを設置したり、プラベニなどで風向きを変えるのもおすすめです。
3階以上のベランダや屋上も風が強い場合があるので、風が強い場合は、多肉植物の乾き具合を見ながら風対策を行ったり少し多めに水やりをしましょう。
マンションの高層階は強風注意
高層階になるほど、風が強くなります。
ほとんどのマンションで、ベランダの屋根があると思うので、夜中の凍結対策はいらないと思いますが風対策は必要です。
気温が下がる夜だけでも、冷たい風に当たらないようにしてあげましょう。
家庭園芸用のビニールハウスは風よけになりますが、風を通さない分、風でハウス自体が飛びやすいです。
家庭用ハウスに限らずビニールで風対策を行うときは、しっかり固定しましょう。
暖かい東京の冬でも屋上は注意が必要
東京は、近隣の都道府県と比べて暖かい地域ですが、屋上などの屋根のない場所では凍結対策が必須です。
多肉植物の置き場所としては、屋根がほしいところ!けど屋根がないということは、きっと屋根が設置できない環境なのではないでしょうか?
屋根が設置できない場合、気温が下がる夜に不織布など防寒できるものを被せてあげましょう。
雲がない早朝は気温が下がりやすいので、晴れている日で最低気温が3度(23区基準)を下回る予報のときは特に注意が必要です。
(余裕がある方は最適気温5度以下の日は毎日がおすすめです。)
多肉植物を日光に当てるために、朝には撤去する手間がありますが、凍結対策になります。
多肉植物の品種ごとの冬越し
このページは春秋型、夏型、冬型といわれる品種をイメージして解説していますが、東京は比較的暖かい地域のなので、特に品種ごとに注意しなくても冬越しできるはずです!
けど、冬に弱いモフモフ系のカランコエ属は?ハオルチア属は?など、品種ごとの特長も気になるはず。
属ごとの、東京の冬越し事情をお伝えします。
エケベリア属
霜が降りても大丈夫といわれる品種があるくらいなので、東京の冬は難なく越せます!
東京23区内で屋根があるベランダや軒下であれば、特に何もしなくても大丈夫。
風通しなどの置き場所の環境に合わせて、必要であれば凍結対策と防風対策を行いましょう。
普及種
グラプトペタルム属、グラプトベリア属、クラッスラ属、セダム属などホームセンターで見かける品種は、もちろん東京の冬を難なく越します!
都心のホームセンターでは風対策をしていたりしますが、過保護すぎる?と感じるほど強い品種が多いです!
カランコエ属
月兎耳、黒兎などのモフモフ系といわれるカランコエ属の品種は、温かそうな毛がありますが冬に弱い品種です。
とはいえ、23区内であればエケベリア属と同様の場所で屋外で冬越しできます!
屋根あり+簡単な防風対策(暖かければ多肉棚の柱の側に移動する程度)で目安の耐寒温度は0度です。
根が回っていない幼い苗や、置き場所の風が強い場合、また東京郊外で冷え込みが強い場合は、夜は玄関内に避難させてあげましょう。
ハオルチア
シンビフォルミス系などの品種は、霜に当てても大丈夫と言われることもあるので、屋外の冬越しはもちろんOK!
葉の水分量が多いオブツーサなどの軟葉系ハオルチアは、硬葉系ハオルチアに比べて凍結の危険が高いですが、置き場所に合わせた冬対策を行えば屋外で冬越しできます。
また、他の多肉植物と比べて日光をあまり必要としないハオルチアは室内育成しやすい品種です。
徒長の心配も少ないので、寒さが心配な場合は、窓際で育成する選択がしやすいです。
アガベ
最近は寒さに強い品種があるようですが、比較的暖かい東京でも屋外での冬越しはおすすめできません。
エケベリア等に比べてお値段が張ることもあり、冬は室内に避難させて、植物用LEDで育てるのが一般的なようです。
都心で屋外で冬越ししているアガベは、直径30cmを超える大株で地植え以外は見かけません。
サボテン
サボテンの耐寒性は品種による違いが大きいです。
寒さに弱い品種は、冬対策をしっかりと行いましょう。
ホームセンターや100円ショップなどでよく見かけるサボテンは、寒さに強い品種があり、冬対策をしなくても屋根がなくても普通に冬を越す場合があります。
東京の多肉植物の冬越し対策はいつから始めたら良い?
「冬」と言っても、毎年気温も変化し、地域によっても差があります。
多肉植物の冬対策は、時期ではなく気温を目安に始めましょう!
まずは、品種の特長を確認!
特段冬に弱い品種(アガベなど)でなければ、東京23区内の冬対策開始の目安は最低気温5度切ったあたりからでOK!
風が強い場所や屋上、東京都郊外では最低気温が10度下回った頃から冬対策を始めます。
多肉植物の品種を調べて耐寒性10度と聞くと、本格的な冬が来る前からドキドキしてしまいますが、東京の冬は暖かいのでそんなに神経質にならなくても大丈夫!
特に、都心に向かうほど最低気温は下がりづらいので、凍結の心配が少ないのが良いところ!
では、具体的な東京の冬対策をお伝えします。
東京の多肉植物の冬越し対策の方法
基本は2つ!
凍結対策と防風対策です。
寒くなってくると、ついつい室内育成できないかな?なんて思ってしまいますが、東京の住宅事情を考えると、寒い冬でも室内育成はおすすめしません。
東京の住宅は他県に比べて採光が取りづらいこと(日中でも照明つけていません?)、そして東京の一般的な住宅は広さが……
そしてなにより、東京の冬は暖かいんです!
冬でも暖かい場所で育てているなら、できるだけ秋まで置いている場所をそのまま活用して、冬越しができる方法をおすすめします!
軒下に移動する
多肉植物を玄関の前などの屋根がない場所に置いている場合は、屋根がある場所に移動します。
とはいえ、東京の住宅にはあまり軒が無さそうです……
その場合、戸建てであれば1階の半屋内駐車場やベランダの下のスペース、または屋根があるベランダなどに移動してあげましょう!
屋根があれば、雨に濡れることを防ぐだけでなく、凍結も予防できます!
気温が下がると多肉植物は休眠するので、その分日照時間が多少減っても徒長しずらくなります。
ちょっと日当たりが悪くなっても、凍結するよりはマシなはず。
安全な場所に移動してあげましょう。
夜だけ不織布や新聞紙、段ボールなどを被せる
早朝の一番気温が下がる時間に凍結することを防ぎます!
雲がない日は、放射冷却が進み多肉植物の温度が下がって凍結の危険が……
屋根や軒があれば熱の放出を遮り、多肉植物の温度が下がりにくくなりますが、特に寒い日や屋根がない場所では、不織布などを被せて多肉植物の凍結を防ぎましょう!
夜だけ玄関内に避難させる
多肉植物って何でこんなに増えるんだろう?そう思っている方は少なくないはず。
どんどん増やしてしまって、すべての多肉植物を軒下移動するのが難しい場合、特に冷え込みそうな日や雪予報の日に、多肉植物を玄関の中に入れましょう!
夜だけなら日照不足の心配もいりません。
東京は寒くない!冬越しはポイントを抑えて多肉植物を楽しもう
東京の冬は関東の他の県に比べても暖かいです!
多肉植物の品種情報を検索して、耐寒性10度!?と焦っているあなた。大丈夫です!
この記事を書いているみんなで多肉編集部員も、1年目の冬をどう越したものか、それはそれは悩みましたが、ご近所の諸先輩方に「このへん置いとくだけで大丈夫だよ!」と言われて目からウロコが落ちました。
そう、東京23区であればその辺に置いておくだけでいい、それだけ東京は暖かいようです。
とはいえ、毎年気候も変わるので、自分の置き場所に合った冬対策をしてくださいね!
執筆・執筆協力
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